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日々の日記。ひっそりと静かに。

偏愛音楽 #2 外出自粛編(特に関係ない)




外出自粛のなか、YouTubeばっかりみてるからそのなかから
ただただ好きな歌を
(自粛じゃなくても引きこもり気味です)


星野源 SNOW MEN 】

誰かにだけわかる歌、というのがある。たぶん。
最近でいうと『Pretender』というJPop流行の曲(アーティストは私の世代には縁が薄い)を「どういう意味?」とツッコミあってる動画をみかけた。
歌詞を聴いたら私には
『すでに結婚している男性が年下の可愛らしい女性に出会い、手放し難く、しどろもどろぐだぐだしてる』
ように思えた。
ほかにはたとえば
同性同士の恋とか、いやいやもっと恋愛を超えた深く広い愛を歌ってるとか、そんなことも頭をかすめた。

この星野源の『SNOW MEN』という曲も、一見すると「どんな情景?」と感じるんだけど、
私は最初に聴いたときから一貫して「(フィジカルに)愛し合った後の男性の心理」だと思っている。
これを読んでくれる男性がおられたら、異議がかれば教えてください。

こーゆー男性いそう。ていうか、いる。
ズルくて呆れちゃうんだけど、この曲自体はなぜかとても好きだ。
MVも美しい。



tofubeats    RIVER】

tofubeats といえば『水星』という押しも押されもせぬ名曲があるが、
私が『水星』以上に好きなのは『RIVER』という曲だ。

tofubeats  水星fet. オノマトペ大臣】

ほんのりと名前を聴き、曲を聴いていたtofubeats を本格的に好きだなぁと思ったのは、ツイッターでお友だちのイケてるパパさん(ロボ羊さんとおっしゃいます)の影響だと思う。
彼が、ソリッドでナイスな曲を好みそれをツイートしてくれるたびにtofubeats をより好きになっていった。
かつて今田耕司さんが歌った曲をサンプリングしたという『水星』は確実に名曲で、同時に「いま」の時代性や世代感覚をキャッチーに掴んでいると思う。
水星からはじまった私のtofubeats巡りは『RIVER』にたどり着き、
同じく「いま」を確実に掴みつつ、私の世代にも真ん中に響く歌をみつけた、と思った。

『水星』はもちろんのこと、『RIVER』や『Keep On Loving You』
などを甥っ子(16)に教えたところ、いまはリマスターされた2013年の曲
『All I Wanna Do』
https://youtu.be/Htb0SNN4B6oをよく聴いている。
唯一にして無二の「いま」だ。


【Justin Bieber    CHANGES】

しばらくの音楽活動休止期間を経てリリースしたアルバムのなかで、私がとりわけ好きな曲。
2分弱という短いトラックながらジャスティン・ビーバーのもつタレントが溢れていると思う。
若くして世界的成功をおさめた人の行く末を、私たちは、すでにいくつか知っている。
その多くはなんらかの意味で悲しく理不尽で、加えてそれらが悲しく理不尽であったことに、世界は、彼らを失くしてから気がつく。
あることないことのさまざまなゴシップはすでに本人ですら真偽を区別できないのではないかというほど世界に知れ渡って、そんな世界で自分として生きていくことは生半可なことではないだろう。
マイケル・ジャクソンがそうであったように、ホイットニー・ヒューストンがそうであったように
ジャスティン・ビーバーは間違いなく世界随一の才能を持つアーティストだ。

なんだか老婆心ぽくてアレなんだけど、彼には幸福でいてほしい。
若いとき、あどけないルックスでヒットを量産していた頃よりも、いまの、苦味の混ざる彼の曲が好きだ。
なにより本来の歌声、リズム感、パフォーマンスの才能にあらためて心打たれる。
若き才能よ、どうか幸福で。
『CHANGES』、美しく切ない。



【Billi Eillish   bad guy】

ビリー・アイリッシュが2019年のグラミーを総ナメしたという事実に、UK&ビルボードチャートの実力を思い知らされる。
とうのビリー・アイリッシュジャスティン・ビーバーの大ファンだとのこと。
音楽界のスピードは速い。
けれど普遍的なものはかならず残ってゆく。
「2019」と「ビリー・アイリッシュ」とはグラミーの底力を、そして音楽の「いま」を、音楽の役割を、音楽の「これから」を示すチョイスだったように思う。



そして今回の最後に。

SUCHMOS      MINT】

サチモスといえば
「トーキョーフライデナーイ」
のバカ売れから久しい。
いまも変わらず彼らの曲が好きでなかでも『MINT』は格別だと思っている。

英語で「mint condition」などと表現されるように「mint」は、
もちろんそのままの「ミント」を指す場合もあるが
「真新しい」「新品の」「おろしたての」
という意味がある。
サチモスの『MINT』はおそらく後者の意味合いなのではないだろうか。

売れまくったたくさんの曲の中でもこの曲はリリック、テンポ、アレンジそのすべてが完璧だ。ボーカルの声とこれほどマッチする楽曲があるだろうか。
サチモスらしいアーバンな感じ、ほんのすこしのハスっぽさ、なによりも心地よいドライさに「見事」以外の言葉を失う。


いま、世界を飲み込むこの禍が通り過ぎだ後の風景はきっと mint condition と呼べるはずだ。
ありとあらゆるカオスのなかから真新しい世界が、日本が、心地よく力強く立ち上がっていくさまを信じている。

いま遠くにいる姪や、私たちが経験したことのない青春時代を生きている甥や、
孤独な思いをしている人
眠るところがない人
食べるものにもことかく人
仕事を失った人
激務に疲れ果てている人
それらを支えている全ての人々に
おろしたての、mint condition  といえる未来が来ることを。

近いうちにきっと。