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日々の日記。ひっそりと静かに。

2019-01-01から1年間の記事一覧

拝啓 木村拓哉さま

木村拓哉さんとさほど年齢は変わらない。木村拓哉さんをキムタクと呼ぶ世代に育った。木村拓哉さんは私たちの世代のあらゆる意味でのアイコンで、たぶんこれこらも死ぬまでそうなんだろう。当時、「木村拓哉さんを『かっこいい』という女性とそうでない女性…

エール 空と芝生のあいだ

縁あって姪(22歳になっていた)甥(16歳になっていた)と深く接しながら暮らしている。甥は小学生の頃からサッカーを始めた。高校生になったいま、サッカーのためだけに高校に通う(ような)日々を送っている。中学生までは彼なりにそこそこ通用したつもり…

2019(ニーゼロイチキュー)

なんだか知らないが泣きたくなる時がある。いまがそうだ。そのとき、いつも思うイメージは「立ち止まることも許されない」「ほんとうは手放しで泣きたい」みたいな感じ。1月に、いま思えばヘルニアの始まりがあった。一般的に人が「痛いから病院いこ」くらい…

入院記(退院します!) 続ヘルニア記

入院生活も明日までになった。長かった。淡々と、ちょっと流れを書いてみる。12月某日 手術の日早朝の激痛により病院へ。検査の結果「巨大ヘルニア」と判明。ヘルニアがすでに右足と膀胱の神経を圧迫しつつあるため緊急手術となる。※ 通常、排尿に支障が現れ…

雑談の効用 続ヘルニア記

「巨大ヘルニア」というのがジョーダンや平たい形容詞としてのみではなく、整形外科系のオペ室や医師をはじめとしたコメディカル間で使われる準標準語(通語)だというのが笑える。だとしたら、今回の私のヘルニアは『整形外科 通語辞典』の巨大ヘルニアの項…

ヘルニア、オペ後の個室から。

昨日、椎間板ヘルニアの緊急手術を受けた。私はどうも自分の痛みを後回しにしがちなようだ。ほんとうは今年の一月から痛かったのだ。今日は12月です。昨日、朝起きたとき腰に激しい痛みを感じて近所の整形外科ドクターを訪ねた。そのとき私は、誇張でもなん…

This is the CHURCH

世の中には山ほど多くの職業がありなすべきことがあるのに、どうしてこの人は、そして私は、このことを仕事としてるんだろう、と思う瞬間があって。 たとえば芸人さんとか、格闘家とか、芸術家とか。 私は格闘技を観たことがないしなんの知識のもないんだけ…

偏愛音楽 #1 洋楽、雑多バージョン

この頃、自分のスマホ内からよく流れ出る音楽をば。 本を読むことと音楽を聴くこととを両方できる人に憧れる。 私は本ばかりと会話してきたので、大人になるまで音楽の楽しさを知らなかった。 ただ音楽のもつ力だけはなんとなくうっすらと感じていたから、育…

クロニクル

「それが大人になるということ」と、とある人から言葉をかけられた。大人というのは自分を労い、ときに叱咤し、励まし温めケアする。そういう行為(もしくは心の持ち方かもしれない)を自分に対して向けられることが大人だと。ためらわず、迷わず。いや、た…

憧憬

現実と非現実という区別が昔からキライで、そういう言葉を耳にするたびに「せめて日常と非日常と言って」と心のなかで訂正していた。 日常があわただしくなったのは年をとったからなのか、単にいまがそういう時期だということなのか。よくわからないが毎日、…

肺炎の2019(feat. 夏の日の1993)(嘘。肺炎はほんとう)

はじめて肺炎になった。40代なかば。 気力体力の限界を超えていることはわかっていた。そう指摘してくれる友もいた。にもかかわらず、家のことにも仕事にも忙殺されていた結果、もっとも忙しい時期に肺炎になった。反省。 しかし肺炎というのはしんどい。咳…

目を閉じてみる夢への苦言

最近ときどき、恋人のことを夢にみる。 ともにいた二十数年のあいだ、恋人が夢に出てきたことは片手ほどもない。いくらなんでも少なくないか? でも本当。 離れてのちも、夢に出てきたことはしばらくなかった。 3ヶ月ほどあったある日、朝目覚めてふと「あぁ…

村上春樹と町田康(と甥っ子16歳)

中学2年生のときに『ノルウェイの森』が大ヒットし、以後過去の作品を遡る形で村上春樹に惚れて以来、ほかに好きな作家が見当たらなかった。 不幸なことだ。 世にハルキストもしくは村上主義者(なんかいよいよ怪しい)といわれる人のなかには私と同じ不幸…

腕のなかの涙と、非模範的介護モノローグ

最近、祖母に続いて母の介護までが始まりつつある。 母は72歳。 72という数字が大きいのか小さいのかよくわからないけど、人に関わる仕事を長くしてきて「元気でぴんぴんしている人」と「そうでない人」の差にものすごく開きがあるのが70代だと感じている。 …

ヒールの高さは今日も

メーガン妃が大好きだ。 アメリカのテレビドラマ『SUITS 』にどハマりするよりも先に、メーガン妃に一目惚れした。 人気ドラマの女優さんだと知ったのはサセックス公爵夫人となったあとのことだ。 一日の終わりにInstagramのサーチ・ラインでメーガン妃に♡を…

意思と選択とサンキャッチャー 大人の階段途上日記

あるとき、あることをしたいと思った。 それなりに準備や周囲の理解が必要な事柄だったから、該当する人々に問いかけたり確認をしたりしてみたりした。 自分がそれをほんとうに「やりたいのか」を確かめる意味合いもあったと思う。 帰ってきた答えはそれぞれ…

スケッチ

昔、好きだった人はいつか自分の著作が本屋さんの棚に並ぶことを夢見ていた。 研究を仕事にしていたからアカデミックな内容になるのだろうけど、彼自身が多分にポエティックな人だったので生まれればきっといい作品になると思っていた。 一般にアカデミック…

大阪ラバー

大阪は川の街だと思った。 堂島川と大川と、そのふたつの川を渡す石畳の橋から立体交差の幹線道路が遠くに見えた。 市役所や旧郵政局、日銀大阪支店あたりの小さなスポットだけを散歩する時間が残った。 幼い頃きた大阪は記憶のなかで、もっともっとザラザラ…

境界線の彼女

二年関わっていた仕事が三月に終わった。 まずまず忙しい仕事だったから終わるときには感慨深いかと思いきや、若い方たちから労いの花束をいただき送り出していただいても心はフラットなままだった。不思議だ。 昨年の他人の退職ではボロ泣きしていたのに。 …

本とラジオと、言葉

芸人コンビオードリーの、若林正恭さんの本を読んだ。 はじめて若林さんの文章を読んだが、リズムがとても心地よく楽しかった。 とくに好きだったのは若林さんがご自身の好きなものについて書く部分だ。 日本語ラップとプロレスと純文学がお好きなのだという…

「あなたは、話せばわかりあえると思ってる」

「あなたは、言葉を尽くして話しあえばわかりあえると思ってる」 と言われたことがある。 かなり前の出来事だが、それでもそのとき私はすでに30歳をこえていたと思う。 衝撃だった。 「言葉を尽くして話しあってもわからないことがあるのか」と。 誇張ではな…

冬の夕暮れの時計屋さん

1月の冷えた空気に夕暮れは美しく、寒さのなかのひとつひとつの色は鮮やかで、オレンジの夕陽が落ちるまでの紺と紫と橙の空気のなかに路面電車や地元銘菓の和菓子店、精肉屋、純喫茶、漢方薬局、美容院などが車道に面して並ぶ。その脇の通りを歩き、クルマに…

四年目の再開 -書くという作業-

ブログを書くのは四年ぶりだ。2018年の暮れ、二十年ほどつきあった恋人と別れた。しばらくぼんやりとすごしていたら、ふと、もう一度ブログを書きたくなった。「何かを手放すと、あいた空間に別の何かが入ってくる」みたいな言葉にはなんの意味もないと思っ…